本学院創立の目的
本学は学校法人延暦寺学園に所属する天台宗立の天台宗法嗣養成の最高学府であり,宗祖伝教大師の『山家学生式』による「一隅を照らす」「能く行い能く言う」「己れを忘れて他を利する」の精神を基盤とした信念ある有為の人材を養成し,もって文化の発展,社会の浄化に貢献せんとするのが本学の目的である。
本学の創立は伝教大師が比叡山を開創されてより、およそ1,200年の永い歴史と伝統をもち、本宗立教開宗の本旨に則った解行双修を教育理念の基本としている。したがって、天台教学の研鑽はもちろんのことであるが、特に実践門の教育に力を注いでいる点に特長をもっている。開講科目も、一般教養から、仏教研究、中でも天台学研究に至るまで、天台教観の蘊奥を究めるべく一貫した教育と研究が行われているのである。
天台教観の教授においては、より広い視野に立って天台宗学のあり方を考える必要があるところから、仏教学・仏教史学を重視し、さらには哲学・宗教・社会・教育等の分野にまで及ぶ配慮がなされている。また実践部門においては、毎朝の朝礼勤行(法華懺法・例時作法等)はもとより、法要実習(光明供・曼供・大般若等)・止観実習・托鉢・布教・詠讃道・書道等の仏教実習を通じて、実践教化にあたる宗団の人材育成を期している。